横綱・朝昇龍に対する相撲協会の処分が下った後、マスコミは連日連夜、常軌を逸したかのような過熱報道を続けています。
「無理偏にげんこつ」が当り前の相撲社会も、最近とみに変質してきているとの話、今回のドタバタ騒動を見る限り、なるほどと思わざるを得ません。
師匠である親方は、部屋所属の力士に対して、厳しく躾けつつ育てる義務があります。
そして万一、力士が不祥事を起こしてしまった場合、師匠たるものこれを厳しく叱責することは当然のこととして、世間一般に対してはヒラに不徳をお詫びするとともに、盾となって力士を徹底的にかばって頂きたいと、かように思います。
横綱に対する相撲協会の処分は、もう既に下っています。
これに対して今すべきことは、親方として世間にお詫び申し上げること、そして謹慎が解ける来年初場所の土俵で、しっかりした相撲が取れるよう横綱を鍛えなおすこと、これだけで必要充分であると考えます。
芸能人でも政治家でもない「力士」に、そして所属している相撲協会より正式に処分が下って「謹慎中」にある力士に対して、そりゃあ無責任なマスコミや無知なキャスターがいくら「記者会見を開くこと」を主張したとしても、師匠が軽率にも「横綱に記者会見させたい」旨の迎合発言をされたら、本当に「何なの？」ってな思いになります。

「横綱は自らの非と不徳を痛感・反省し、謹慎中であります。今回の不始末の責任、全ては師匠である親方にあり、深くお詫び申し上げます。今横綱がすべきことは真摯に反省すること、そして初心に立ち返り心身とも、もう一度鍛えなおして、来年初場所で横綱として恥ずかしくない姿で土俵を勤めること、これこそが責任の取り方であると考えます。親方としても横綱を厳しく指導して参りますので、何卒ご理解頂きたい」
このように深謝するとともにお願い申し上げ、何としても横綱を守って貰いたいものです、師匠には。
そもそも記者会見場で、容赦のないインタビュアーの突っ込みの集中砲火の中、言葉に詰まってさらし者になる横綱の姿を、親方は想像することもできないのでしょうか。
マスコミの論調は、外国人力士が増えた今、「力士教育の徹底を！」というような雰囲気がありますが、「元力士」である親方諸氏のなかにも、一般社会人として恥じない立ち居振舞いをきちんと身に付けて頂きたい方々がいるように感じられますが、さてさて如何なものでしょうか・・・。